横浜市郊外の樹木に覆われた高台にある幼稚園の建替え。出来るだけ樹木を伐らないよう、
特に入園時期を彩る桜は全て残すように、既存の建物の位置と、樹のない場所を
辿って建物を配置する。 斜面地の半階分の高低差を利用して、敷地の高いほうを中間階とし、中心となる職員室棟とプール、 目配りの必要な年少棟を配し、低い方に年長・年中クラスの2階建を置いて、半階分の スロープで結ぶスキップフロアの構成とする。 園児は保育室に留まらず、縦横無尽に内と外を飛び回る。 ゆったりとした、デッキ、バルコニー、 ケヤキの中庭など、変化に富んだ中間領域を作り、バリアーなく、内と外を一体にする。 新建築0110掲載 日本建築学会「作品選集2005」選定 日本建築家協会「優秀建築選2005」選定 photo:(c)H.Sakaguchi | ||
運動場の下に、既存の講堂に付け足して、作られた地下建築。 大小2つの音楽教室と多目的ホール等が 入る。 法的には外周の1/2以上が外気に面していないと、地下の教室は認められない。 緑の法面と、ドライエリアで、2辺を地上に繋げることで、その点をクリアしている。 ドライエリアの方は、三日月型をしており、見上げると切り取られた青空と、本校舎が見える。 スロープを登ると、移動と共に運動場や植え込みが、下る時には練習をしている教室の気配が視線に入ってくる。 湾曲したスロープを、ゆっくりと上下する時のこうした視線の変化、風景の変化の楽しさを意識している。 photo:(c)H.Sakaguchi | ||
日本海を囲む日本、中国、韓国、ロシア。それらの国の文化を 理解せずに、経済は語れないという信念から生まれた人文学部 環日本海文化学科。 湾曲した逆L字型を、既存経済学部校舎に対峙させ、強い西風 (米山おろし)を防ぎ、日溜りをつくり、大学の核としての、 親密な中庭を形成する。 個性をもった家としての教室それぞれが集まった、集落として の大学のイメージを併せ持つ。 形態要素としては、エントランスに回廊(ロッジア)を採用。 外観には、陰鬱な柏崎の冬を跳ね返す、明るい色を使った。後に 大学町ボローニャを訪ねた時、町並みの色使いの類似に驚いた。 新建築9412掲載 photo:(c)H.Sakaguchi | ||
大江宏氏設計の本校舎の建築原理を継承し、
中間領域としてのバルコニー、外階段、回廊(ロッジア)などにより内部と外部を相互に貫入させる。 運動場の地下にある講堂を拡張し、ホワイエ、多目的ホール、図書館、英語教室などを上部に積み重ね、 すべての縦動線を中間領域として外部に露出させることで、移動の時、生徒は外の光、風、空気、風景に触れる。 新建築9011掲載 日経アーキテクチュア901029掲載 photo:(c)H.Sakaguchi | ||