京浜急行の北品川駅に隣接した敷地。1階貸店舗、2階貸事務所、
3〜5階自宅の複合ビル。駅側以外の三方をビルに囲まれている。 3階の居間食堂に面した南西の角に、2層分の ガラスブロックで囲まれたテラスを設け、外からの視線を遮りつつ、光を入れる。 北側の厨房にはトップライトで採光、 夏は開閉テントで直射日光を遮る。4階もテラスを設け、浴室にはトップライトで採光。 5階の子供部屋は、男一人と女2人のスペースを可動のワードローブで間仕切り、階段室に面して机を置いたり、 梯子で上がる屋根裏部屋を作ったりして、出来るだけ、均質でない表情豊かな子供部屋にしている。 | ||
敷地全体では63坪あるのに、半分が高圧線下で建築出来ず、三方を隣家に囲まれているため、
必然的に2階を主生活空間とした住宅。 45度の屋根勾配で、最大4.9Mという天井高の、 1部に屋根裏部屋を持つおおらかな空間である。 南側に開閉テントのあるバルコニーをとり、外階段で 広い道路側の庭に繋がる。 | ||
北側が道路、南側は急勾配の雑木林の斜面地。2階は屋根裏部屋のようにして平屋に
見えるような家、という建築主の希望。 マッキントッシュと同時代の英国の建築家 ラッチェンスの住宅「ホームウッド」やタルコフスキーの映画「ノスタルジア」に出てくる 住宅のイメージが浮かんで、嬉々として設計をした。 斜面側には大きく張り出したデッキのテラスがある。 テレビ朝日「渡辺篤史の建もの探訪」910202放映 | ||
1階は趣味の鉱物標本室兼染色教室、と生活の場が中庭を囲む、コンクリートの箱。 2階は風と光の通る屋上テラスと、2つの個室が向かい合う木造の異形の構造体の混構造。 閉じた外室としての中庭と開いた屋上テラス。 新建築住宅特集8804掲載 SDレヴュー入選 | ||
高密度に建て込んだ都市部の敷地に、1階に貸事務所、駐車場をとって、
2、3階+アティックを住居とする。 71.06uの敷地面積、60%の建蔽率、 日影規制の掛らない10Mの高さに収めるなどの条件やコストの制約の中で、 ギリギリの階高で天井高を取れるように、躯体を表しにした鉄骨造とし、螺旋階段、 ヴォールト天井のアティック、プレートを折り曲げたバーカウンターのあるキチネット、 グレーチングの床、と出来る限りのさまざまな空間装置を投入する。 そして光と風の屋上テラス。 「意地の都市住宅2」ダイヤモンド社掲載 | ||
極楽寺の谷戸にある段々の造成地の最上段、に建つ女性画家のアトリエ兼住居。 眺望の開ける南側以外、三方は緑豊かな山が迫る。 外階段を上がって2階に玄関、居住のための主空間をとり、1階のアトリエには螺旋階段を降りて行く。 創作活動と日常生活を、螺旋階段の昇り降りで切り替える。 コンクリートのダイニングテーブルが突き出た、緑に囲まれた2階のテラスに面した大窓が、 アトリエへの北側採光を齎す。 光だけを通す窓と、風だけを通す窓を分離している。 都市住宅8508掲載 美術手帖8404掲載 | ||
玄関と家事室にある、表と裏の二つの階段が、トップギャラリーとボトムギャラリーと名付けた、1階と2階の動線を、
両端で繋ぎ、2階のパティオを抱え込んで回遊する。 ギャラリーには、トップライトや大きなガラス面によって、 光が溢れ、さらにパティオや屋上の植栽の緑と関わる。 車庫の上は昇り庭として、コートから連続して植栽されている。 2階の2つの個室の上部には、梯子で昇る3角屋根のアティックがあって、ブリッジで緑のバルコニーに 繋ぐ。 新建築住宅特集85春号掲載 | ||
床のレベルを半階ずつずらして、吹き抜けの周囲を2階へと連続してゆくスキップフロアの空間構成。 この空間の連続性を殺さぬよう、出来るだけ間仕切りを行わず、ドアを最小限にとどめ、 厨房、家事室を家具化して天井から浮かせ、引戸(ひとつは幅3Mある)、隠しドア、障子などで室相互の開放、閉鎖を 行えるようにしている。 ほとんど家全体を一室に出来る。 引戸の良さは、ロンドンに居る頃、 英国の若い建築家がスライディングドアで、うまく空間の仕切りをしているのを見て、 再認識していた。 都市住宅8204掲載 | ||
床のレベルを半階ずつずらすスキップフロアの構成。 1階に両親のための和室、そしてDK、2階に子供室、中間階にリビングをとって、半階上がってテラスへ出る。 テラスからは手賀沼を遠望し、花火大会には特等席になる。 もとは沼の葦原で、埋め立てによって出来た敷地であるため、地盤が悪く、湿気も多いので、1階と2階の腰までを 鉄筋コンクリート造、残りを木造の混構造として、重厚さと、軽やかさを併せ持つ。 | ||
事務所を開く前、英国から帰ってすぐに設計した住宅。 一戸建住宅(detached house)への英国人の 執着と集合住宅の利便性、経済性との妥協線として生まれた、2世帯連続住宅。 左右対称で、界壁を共有する勾配屋根のセミディタッチトハウス ロンドン郊外にこの形式が延々と続く地域がある。 同世代の2家族が住む、左右鏡像プランの木造セミD日本版。 スキップフロアの採用で、視線の上下によるプライバシーの保護や 狭い住宅での距離感の確保。 新建築7708掲載 | ||