houses 2:houses,housing before 1990

北品川コンプレックス KITASINAGAWA COMPLEX 1988

京浜急行の北品川駅に隣接した敷地。1階貸店舗、2階貸事務所、 3〜5階自宅の複合ビル。駅側以外の三方をビルに囲まれている。
3階の居間食堂に面した南西の角に、2層分の ガラスブロックで囲まれたテラスを設け、外からの視線を遮りつつ、光を入れる。
北側の厨房にはトップライトで採光、 夏は開閉テントで直射日光を遮る。4階もテラスを設け、浴室にはトップライトで採光。
5階の子供部屋は、男一人と女2人のスペースを可動のワードローブで間仕切り、階段室に面して机を置いたり、 梯子で上がる屋根裏部屋を作ったりして、出来るだけ、均質でない表情豊かな子供部屋にしている。
北品川コンプレックス 北品川コンプレックス
北品川コンプレックス

夏見の家 HOUSE UNDER POWER CABLE 1988

敷地全体では63坪あるのに、半分が高圧線下で建築出来ず、三方を隣家に囲まれているため、 必然的に2階を主生活空間とした住宅。
45度の屋根勾配で、最大4.9Mという天井高の、 1部に屋根裏部屋を持つおおらかな空間である。
南側に開閉テントのあるバルコニーをとり、外階段で 広い道路側の庭に繋がる。
夏見の家 夏見の家
夏見の家

つくし野の家 NOSTALGIA 1987

北側が道路、南側は急勾配の雑木林の斜面地。2階は屋根裏部屋のようにして平屋に 見えるような家、という建築主の希望。
マッキントッシュと同時代の英国の建築家 ラッチェンスの住宅「ホームウッド」やタルコフスキーの映画「ノスタルジア」に出てくる 住宅のイメージが浮かんで、嬉々として設計をした。
斜面側には大きく張り出したデッキのテラスがある。

テレビ朝日「渡辺篤史の建もの探訪」910202放映
つくし野の家 つくし野の家
つくし野の家

北八朔の家 COURT AND ROOF-TERRACE 1987

1階は趣味の鉱物標本室兼染色教室、と生活の場が中庭を囲む、コンクリートの箱。
2階は風と光の通る屋上テラスと、2つの個室が向かい合う木造の異形の構造体の混構造
閉じた外室としての中庭と開いた屋上テラス。

新建築住宅特集8804掲載
SDレヴュー入選
北八朔の家
北八朔の家

門前仲町の家 STEEL HOUSE 1986 

高密度に建て込んだ都市部の敷地に、1階に貸事務所、駐車場をとって、 2、3階+アティックを住居とする。
71.06uの敷地面積、60%の建蔽率、 日影規制の掛らない10Mの高さに収めるなどの条件やコストの制約の中で、 ギリギリの階高で天井高を取れるように、躯体を表しにした鉄骨造とし、螺旋階段、 ヴォールト天井のアティック、プレートを折り曲げたバーカウンターのあるキチネット、 グレーチングの床、と出来る限りのさまざまな空間装置を投入する。
そして光と風の屋上テラス。

「意地の都市住宅2」ダイヤモンド社掲載
門前仲町の家
門前仲町の家

鎌倉のアトリエ BLOW・UP 1985

極楽寺の谷戸にある段々の造成地の最上段、に建つ女性画家のアトリエ兼住居。
眺望の開ける南側以外、三方は緑豊かな山が迫る。
外階段を上がって2階に玄関、居住のための主空間をとり、1階のアトリエには螺旋階段を降りて行く。
創作活動と日常生活を、螺旋階段の昇り降りで切り替える。
コンクリートのダイニングテーブルが突き出た、緑に囲まれた2階のテラスに面した大窓が、 アトリエへの北側採光を齎す。
光だけを通す窓と、風だけを通す窓を分離している。

都市住宅8508掲載
美術手帖8404掲載



鎌倉のアトリエ鎌倉のアトリエ
鎌倉のアトリエ 鎌倉のアトリエ
鎌倉のアトリエ

豪徳寺の家 LAYERED GARDENS 1984

玄関と家事室にある、表と裏の二つの階段が、トップギャラリーボトムギャラリーと名付けた、1階と2階の動線を、 両端で繋ぎ、2階のパティオを抱え込んで回遊する。
ギャラリーには、トップライトや大きなガラス面によって、 光が溢れ、さらにパティオや屋上の植栽の緑と関わる。
車庫の上は昇り庭として、コートから連続して植栽されている。
2階の2つの個室の上部には、梯子で昇る3角屋根のアティックがあって、ブリッジで緑のバルコニーに 繋ぐ。

新建築住宅特集85春号掲載


豪徳寺の家
豪徳寺の家 豪徳寺の家
豪徳寺の家

白金台の家 CONTINUOUS SPACES 2 1981 

床のレベルを半階ずつずらして、吹き抜けの周囲を2階へと連続してゆくスキップフロアの空間構成。
この空間の連続性を殺さぬよう、出来るだけ間仕切りを行わず、ドアを最小限にとどめ、 厨房、家事室を家具化して天井から浮かせ、引戸(ひとつは幅3Mある)、隠しドア、障子などで室相互の開放、閉鎖を 行えるようにしている。
ほとんど家全体を一室に出来る。
引戸の良さは、ロンドンに居る頃、 英国の若い建築家がスライディングドアで、うまく空間の仕切りをしているのを見て、 再認識していた。

都市住宅8204掲載
白金台の家 白金台の家
白金台の家

我孫子の家 CONTINUOUS SPACES 1 1981 

床のレベルを半階ずつずらすスキップフロアの構成。
1階に両親のための和室、そしてDK、2階に子供室、中間階にリビングをとって、半階上がってテラスへ出る。
テラスからは手賀沼を遠望し、花火大会には特等席になる。
もとは沼の葦原で、埋め立てによって出来た敷地であるため、地盤が悪く、湿気も多いので、1階と2階の腰までを 鉄筋コンクリート造、残りを木造の混構造として、重厚さと、軽やかさを併せ持つ。
我孫子の家
我孫子の家

セミディタッチトハウス SEMI-D 1976

事務所を開く前、英国から帰ってすぐに設計した住宅。
一戸建住宅(detached house)への英国人の 執着と集合住宅の利便性、経済性との妥協線として生まれた、2世帯連続住宅。
左右対称で、界壁を共有する勾配屋根のセミディタッチトハウス
ロンドン郊外にこの形式が延々と続く地域がある。
同世代の2家族が住む、左右鏡像プランの木造セミD日本版。
スキップフロアの採用で、視線の上下によるプライバシーの保護や 狭い住宅での距離感の確保。

新建築7708掲載




セミディタッチトハウス
セミディタッチトハウス
セミディタッチトハウス